アンナ・カレーニナ

バウホール



     2001年  8月  9日
               

今回は、とにかくチケットが手に入らない公演ということで、一度だけの観劇となりましたが、
観れたことは、とってもラッキーだと思います。
で、今回は出演者別に、覚えている限り書いていきます。

アレクセイ・ヴィロンスキー(朝海 ひかるさん)
今回の主役さんなのでが、ごめんなさい。ハッキリとは残ってないのです。
情熱的な、綺麗な伯爵だったことは、覚えてますが、飛んでしまってます。
理由はあります、わかってます。後で語ります。ごめんなさい。

アンナ・カレーニナ(紺野 まひるさん)
凄かったです。役としてもきっと自分自身もすれきれるぐらいに、役に入っていってる気がしました。
娘役に感情が乗る事って無いのですが、言葉に出来ない感情で好きになっていく気持ちが何故か理解できて、
目が離せませんでした。
1幕の、迷いも、二幕の疲れ切った中にヴィロンスキーの愛を求めざるをえない焦りも、
壮絶に表現されてたと思います。
幸福で安定した生活と、感情のままに愛に生きる。
究極の選択を迫られたときに、彼女のように生きられるとは、思えません。
でも、そこまで、愛に突き進み命を賭けた、アンナはやはり幸せだったのでしょうね。
女としては、やはり羨ましい部分でもあります。

アレクセイ・カレーニン(貴城 けいさん)
渋いです。でもって、素敵でした。(笑)
正直印象強いです、歌に感情が乗ってるって言うか、妻を理解できない辛さ、苛立ち。
そして、憎んでもやはり愛している事に、気づいたときに見せる大きさに飲まれるというか、
ここまで、大きな愛で愛してもらえる、アンナ。
彼女は知っているのですよね、きっと愛して貰ってる事も。
でも、本当にどうにもならない。
すれ違い、交差して、そして男達が残るのですよ。それがまた悲しいのだけどね。
ある意味理想の旦那様ではないかと思います。

コンスタンチン・レーヴィン(立樹 遙さん)
生真面目な好青年を力の限り見せてくれてます。
でも、ある意味損な役回りなってしまってますね。
キティ(舞咲 りんさん)共々、平凡な中に幸福があると、言うカップルなのですが、
主役の対照的な、二人にしては描き切れてなかった気がします。
場面としては、ホッと出来る場面で良かったのですけどね、もう一息書ききって欲しかったです。

スティーバ(美郷 真也さん)とドリィ(森央 かずみさん)の夫婦は仲違いしてますが、
私から観てもっとも幸せな夫婦なんだと、思います。
浮気はしても、絶対妻の所に戻る夫。許せないと嘆きながらも、愛してると友人のアンナに告白する、妻。
絆っていうのか、とってもさりげなく描かれてて、好感もてました。

ヴィロンスキー伯爵夫人(藤 京子さん)
イャー、久し振りのマメコさんで、嬉しかったです。
しかも、相変わらず格好いい事。母親として、ロシアの社交界で生きていく者としての、
誇りやプライド、そして母性を、激しさで見せてくれました。
やはり、親子何でしょうね、唯彼女は流されることなく、生きてきただけ…。

ベッツィ(美穂 圭子さん)
社交界の華だろうと思います。総てを知っているからしきって行ってる。
でも、彼女が良かれとした事は、本当に良かったのかしら…!?
二人が、離れられなくなると判っていたとしたら、とても大きな罪を犯してさえ居るように感じます。
会わないと後悔する。
原作は読んでませんが、彼女は後悔したことがあるのかもしれませんね。
だから、見ていられなくなった。そう考えても良いような気がします。

セルプホフスコイ(音月 桂)
はい、本題です。
最初に主役さんの友人役と聞いたときは、取り巻き中の一番目立つ役かなって、婚約者が居るって
聞いた時は、親の進めるお嬢さんと大人しく一緒になるお坊ちゃんを、想像してました。
でも、歌劇に「旧友でライバルの侍従武官」なんて書いてあって、もしかしてと思ってましたら、
はい、殆ど予想通りでした。
野心家で、ヴィロンスキーに負けたくないと、士官学校時代から競い合ってきた男。
それでも、彼の背中しか見てこなかったに違いありませんがね、
だからこそナスターシャ(舞阪 ゆき子さん)を、選んで自分の物にしてしまおうとしている。
男役としては、かなりやりがい、作りがいのある役だと思います。
しかも、登場するたびに主役さんと対等に台詞を交わしてます。
もう、最初の出からドキドキで目が離せなくて、大変でした。(^_^;)
特に競馬の場面は、凄すぎです。
ダンスに定評のある、朝海さんときっちりと並んで踊ってます。
競争してるので、時には前に出るのです。もうビックリでオロオロと見てました。
好きな場面なんですけど、結局桂ちゃん観てますからね、他の方、たとえ主役さんでも目に入ってません。
そう、理由はこういうことなんです。出てる所が同じ事が多いので、主役さん見てないのです。
残って無いのも当然ですよね。
後、1幕の軍服は今いち着こなせてません。どうしても襟が詰まってしまってて、気になります。
姿勢だと思うのだけどな、なおして着こなせると良いのですけどね。
二幕のグリーンは、好きです。たぶん有り物だろうけど、よく似合って映えてるし、格好いいですよ。
ラストの敗北の台詞も凄いですよね、上級生が一緒の場面出ているのに、必要と思える大切な台詞を、
書いてもらえる。
ヴィロンスキーに勝てないと認めながらも。
彼はロシアの社交界で生きていくことでしょう、ナスターシャを妻とし、むなしさを抱いたままにね。

そして、フィナーレ。
最初の出で立ち位置判りました。
一列目下手側。これって凄いことですね、まだ研4なのにね…。(中央が貴城さん。上手が立樹さん。)
オペラグラスで見てたのですが、気が付いたら正面に立ってる、(お席は上手側でした。)
そして、声が…。他の男役さん達が朝海さん中心に踊ってる場面でのソロです。
スキャット風と言うか、桂ちゃん曰く。「ダバダ…。」何ですが、もうエッー!!ものでした。
でも、なかなか聞かせてくれますよ、役も抜けきってないしね。
最後のラインナップも、やはりと思う、とおりでした。
今回はしっかりと役のお衣装で、位置的にも4番手さんなんだなって扱いして貰ってました。
出て来るときも、まさか一人な訳無いしと、二人なら…。と、思っていたら。
やはり、ベッツィ(美穂 圭子さん)と一緒です。役の性格が現れているようにも感じました。
二人とも、ロシアの貴族社会でしか生きていけない人なんでしょうね。

さてと、あやふやな記憶を頼りに書きました。
しっかりと、ネタばれですが、此処まで読んでくださった方々、ありがとうございます。

青年館もありますので、観劇予定の皆さん、しっかり観てきてくださいね。

では では…。

                                        Megu